三等航海士

VLCCのスペシャリストを目指して

私は全長333m、幅60mのVLCCに乗船し、三等航海士として勤務しております。航路は日本と中東を結ぶオイルロードと呼ばれる航路で、航海の難所として知られるマラッカ・シンガポール海峡やホルムズ海峡を航行します。
三等航海士の職務内容には、航海当直、荷役当直、救命設備の点検・保守、潮汐・日出没計算・時刻改正等がありますが、業務の大半は航海当直が占めます。航海当直では8時から12時と20時から24時の当直を担当し、当直中はフィリピン人操舵手と2人で業務を行います。


当直の様子

当直中の主な業務は、見張りと船位測定です。見張りは目視の他、レーダやECDIS(電子海図表示システム)等の航海計器を活用し、早期に他船を見つけることに努めます。一方、船位測定は、沿岸航海の場合は陸上の顕著な目標の距離・方位を目視およびレーダで測定し海図上に位置を記入します。また、大洋航海の場合は天体の高度を測定することにより位置を求め、海図上に位置を記入します。GPS位置はチャートプロッターにより、常に海図上に表示されていますが、このようにしてクロスチェックを行うことでGPSの故障などにより船が思わぬ方向に進まないように監視しています。

当直中にはイルカやクジラなどの海洋生物に遭遇したり、満天の星空を眺めることが出来たりと日常では見ることができない海や空の変化を見ることができ、緊張した気持ちを和らげてくれます。
航海当直の後は出入港やシンガポール通峡時に必要な潮汐・日出没計算や法律で規定されている毎週、毎月の救命設備の保守・点検等を行っています。
私は当社に入社して2年目ですが、VLCCを運航し原油という日本のエネルギーを輸送するやりがいのある仕事につき充実した日々を送っています。早くVLCCのスペシャリストになるべく努力していこうと思います。

  • ジャイロエラーの確認作業

    ジャイロエラーの確認作業

  • 荷役当直

    荷役当直

ある1日の行動

7:00 起床・朝食
7:45 昇橋し、前直から引き継ぎを受ける
8:00 当直開始
12:00 Noon Report作成、当直終了、昼食
13:00-18:00 自由時間
18:00 夕食
19:45 昇橋し、前直から引き継ぎを受ける
20:00 当直開始
21:00 時刻改正
24:00 当直終了、機関室巡検
00:30 就寝
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