ボイラの役割

船内では燃料、潤滑油、冷却清水の加熱源として蒸気を使用しています。
通常の航行中は主機(メインエンジン)の排気ガスの熱を利用して蒸気を発生させていますが、主機の停止中等、排気ガスの熱を利用できない場合はボイラを運転し蒸気を発生させます。

日本入港中は、通常の蒸気タービン駆動の発電機に加え、原油を製油所に送るための荷役ポンプ用タービン3台、原油洗浄ポンプ用タービン1台を運転しますのでそれらの蒸気消費量を賄える大型のボイラを搭載しています。ボイラが造り出す蒸発量は時間当たり80tの大容量となります。

この他にもVLCCではボイラが非常に重要な役割を担っています。それはイナートガス(不活性ガス)の供給です。
原油揚荷時に原油の爆発事故を防ぐ為に酸素濃度を5%以下に下げたボイラの排気ガスをカーゴタンクに供給します。
これにより揚荷中の原油タンクが真空状態になるのを防ぐとともに、原油から発生する揮発性可燃ガスによる爆発の危険を未然に防ぎます。

巨大な工場を思わせるボイラ

巨大な工場を思わせるボイラ

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