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LPGタンカーのドック工事 Vol.3 2/2

ガス置換、クールダウン

次はタンク内をイナートガスからプロパンガスに置き換え、タンクを冷却する作業です。この作業はガス置換とクールダウンと呼ばれています。イナーティングが終了した後、LPGの積み出し設備のあるターミナルに行きます。

この作業には二通りの方法があります。日本の船会社で一般的に行われている方法は、ターミナルからプロパンのガスを送ってもらい、最初にイナートガスからプロパンガスに置き換え、その後、プロパンの液を貰いタンクを冷却する方法です。もう一つの方法はターミナルより最初からプロパンの液をもらい、イナートガスからプロパンガスに置き換えるのと同時にタンクを冷却する方法です。当社では作業の確実性を期するため、前者の最初にガスを貰い、その後、液を貰う方法を採用しています。

ガス置換

この作業もガスの比重差を利用して行います。プロパンガスをタンクの底部に入れ、イナートガスをタンクの上部から追い出します。追い出されたイナートガスは陸上のフレアスタックに導かれ、空気中に放出されます。置き換え作業が進むとプロパンガスが混ざったイナートガスとなり、プロパン分はフレアスタックにて燃やされます。タンク内のプロパンガスの濃度が98%程度になったらガス置換作業は終了です。この作業は船を停めている時間をセーブするために、ターミ ナルにおいては1個のタンクのみ行い、残りのタンクは積地までの航海中に行います。

クールダウン

カーゴタンクの中にはタンクを冷却するために、タンクの壁に沿ってパイプが張り巡らされており、そのパイプには液を噴霧状にして噴き出すノズルが壁に向けて取り付けられています。ガス置換が終了したタンクのこのパイプに約マイナス40℃のプロパンの液を送り込み、タンク内にて気化させることにより、タンクの冷却を行います。急激な温度変化に対してもタンクの鋼材等は十分に耐えることはできますが、ここでも安全を期してゆっくりと冷却していきます。この作業中タンクの圧力はどんどん上昇してきますが、本船の再液化装置をフル運転してタンクの圧力を許容値以内に抑え作業を進めます。
約マイナス40℃のプロパンの液を送り、タンクの冷却作業中
約マイナス40℃のプロパンの液を送り、タンクの冷却作業中
カーゴタンクの温度がタンクの底部でマイナス40℃程度、タンクの上部でマイナス20℃程度まで冷えたら終了です。この作業も時間を節約するためにターミナルに着桟中は1個のタンクのみ行い、プロパンを約400t積み込んで、ターミナルから積地に向かって航海の開始です。残りのタンクは積地に到着するまでの航海中に行います。
ドック工事を終え、再び航海へ
ドック工事を終え、再び航海へ
LPG船の運航では温度管理、圧力管理が最も重要な作業であり、原油船と大きく異なる点です。ドックを終えたLPG船は、再び中東やオーストラリア等世界の各地に点在するガス田に向け出港していきました。
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