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最新鋭VLCCタンカー「IDEMITSU MARU」が備える「安全」「安心」 3/3

究極の経済性と環境保護を求めて

船舶において、最も有効な排気ガス低減対策の一つは、推進効率を上げ燃料消費を削減することです。そこで本船の船体には、速力に応じた最適な船型を採用し、船尾に「ATフィン」という装置を取り付けて、燃料節減を図っています。
また主機関の制御システムとして、電子制御を採用しました。これは、低負荷から高負荷まで最適燃焼が可能となる、コンピューターを活用した制御方式です。
さらに環境保護の観点からは、海洋汚染防止だけでなく大気汚染防止への取り組みも積極的に行い、世界的に求められている環境規制の先取りを実現しました。

(1)電子制御機関(フレックスエンジン)の採用

主機関には電子制御機関を採用しています。本船の主機関は起動や運転、シリンダー注油などが常時最適になるよう電子制御されています。低燃費による経済性の向上に加え、窒素酸化物(NOx)や黒煙など排気ガス中の有害物質の低減も図られ、舶用機関としての環境性能を高めています。この電子制御は「次世代の制御」ともいわれ、性能面だけでなく安全性においても優れています。
また、運転中の主機関のデータを陸上に送信して、主機関の状態を製造メーカーあるいは出光タンカーの船舶管理部門が診断することにより、トラブルの早期発見のみならず未然防止までを目的として、主機診断システムを採用しています。

(2)排気ガスエコノマイザー(E.G.E)の採用

大洋航海中、主機関は定格出力(約3万1,000馬力)で運転されています。
主機関の排気ガスは高温(約300℃)ですので、この排気ガスをむだに捨てることなく有効に利用して、高温・高圧の蒸気を発生させる装置を「排気ガスエコノマイザー」といいます。この装置で発生させた蒸気で「タービン発電機」を廻して、船内電力を賄ったり、燃料加熱器の熱源とします。
大洋航海中に必要な電力は750〜850kw/時程度ですが、この装置は、余分な燃料を一切使用せずにタービン発電機を運転し、加熱源としての蒸気を発生させています。このシステムの採用により、毎日4〜5tの燃料を節約できます(図-3)。

図-3 E.G.E.におけるエネルギー変換の流れ図

E.G.E.におけるエネルギー変換の流れ図

(3)ATフィン(省エネルギー装置)の採用

舵の両側に取り付けられたフィンにより約3〜4%の省エネルギー効果があり、船速は0.15ノット(約0.3km/時)アップされます。
この装置は、プロペラ後方回転流中のエネルギーを回収し、フィンの推力に変換するものです。

ATフィン(写真の左側、舵から突き出している水平尾翼部分)

ATフィン

(4)イナートガス・原油ガス陸上返送管(VECS)の設置

積荷時に発生し、大気に放出されることの多いイナート(不活性)ガスや原油ガスを、陸上に送り返すことのできる配管を、船上に装備しています。この装置を使用すると、炭化水素の空中への飛散を防止することができます。積み地港における大気汚染防止に大きな威力を発揮するものと期待されます。

以上、高い安全性と究極の経済性を追求し、かつ環境に優しい最新鋭VLCCの搭載機器と性能の一部をご紹介しましたが、船の安全を守り経済的運航を実現するためには、知識と経験に裏打ちされた船員の力量が基本となります。
これらの最新設備は、安全を維持しつつコスト競争力を高めるために日夜奮闘している船員の活動を援(たす)ける、補助具に過ぎません。出光タンカーのVLCCでは、経験豊富な船長・機関長をはじめとする乗組員が中心となり、「海陸一体」を合言葉に、今日も安全航海の貫徹目指して、昼夜を問わず全力で取り組んでいます。
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