最新鋭VLCCタンカー「IDEMITSU MARU」が備える「安全」「安心」 2/3

最高レベルの安全性を求めて

電子機器の発展は、タンカー操舵室の設備に大きな変化をもたらしました。本船では最新技術搭載の機器を採用することにより、安全性を飛躍的に向上させています。現代技術の最先端をいく、主要な航海計器の数々を紹介します。

(1)GPS装置(船舶の位置を確認する装置)

大洋の中での船舶位置確認は、船舶の安全確保には不可欠な要素です。
GPS装置は、船舶の位置(緯度・経度)を測定する装置で、多くの電子航海計器に本船位置信号を送り、船舶の安全性を高めています。本船に搭載されたGPS装置の精度は誤差が数メートルで、安全の確保に大きく寄与しています。また本船にはこのGPS装置が2台搭載されており、万一トラブルが発生してもバックアップが可能なシステムとなっています。

GPS装置

(2)ECDIS(電子海図)

周囲のすべての船舶の位置が自動的にこの装置の画面の海図上に表示される装置です。「ECDIS」もしくは「ECS」と呼ばれます。
分かり易くいえば、周囲の車の位置も判る大型のカーナビのようなもの。海図上の注意箇所など、追加の情報も表示画面上に書き入れることができ、航海の安全性は飛躍的に上がりました。特に優れているのは膨大な記憶機能で、過去の航海データの再現が可能であり、管理船舶の状況把握にも非常に有効です(図-2)。

  • ECDIS

    ECDIS

  • ECDISの画面

    ECDISの画面

図-2 ECDISとレーダー等の航海計器類の電子信号の伝達・連結

図-2 ECDISとレーダー等の航海計器類の電子信号の伝達・連結

(3)AIS(自動識別装置)

この装置は、自船および周囲の船舶について、船名の他、針路、速力、位置、積荷、仕向け地などを表示します。最新レーダーでは、画面上に映る船影の AISデータを確認することができます。この装置により、周囲船舶の状況の把握が容易になり、安全性は格段にアップしました。

AIS(船舶自動識別装置)

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