出光美術館のルオー作品は、初代館長出光佐三とルオーの油彩連作《受難》との出会いをきっかけとして蒐集が開始され、現在では質量ともに世界有数のコレクションとして知られています。 当館では、出光佐三の遺志をつぎ、常時3〜5点の油彩を中心とした作品を紹介する展示室を設けています。 日本の美術愛好家がいつでもルオーの代表作と接する機会をもてるようにと願った出光佐三の想いは、今も出光美術館に受け継がれています。
現在の展示作品
展示期間 2012年1月7日〜3月25日まで
《受難》31 “もう‐私を‐見る‐のを‐やめ‐よ” 1935年
《受難》32 “もっとそばに来い…” 1935年
《受難》33 “…彼はコレージュ・ド・フランスの教授になるだろう…” 1935年
《受難》34 “ピゥ教授…” 1935年
- ※上記、展示期間にご注意ください。
ジョルジュ・ルオー
1871〜1958年。フランスの画家。ステンドグラス職人として出発し、次いでエコール・デ・ボザールのギュスターヴ・モローのもとで学んだ。師の没後、濃く太い墨色の輪郭線と鮮やかな色彩が特徴的な独自の画風を確立した。初期には道化師、娼婦、裁判官などパリの名もない人々を荒々しい筆致で描いた人物画を残している。1914年、画商ヴォラールと契約後、戦争の悲惨さを克明に描き出した《ミセレーレ》などモノクローム版画の傑作を生み出すとともに、1935年にはキリスト最後の日々を描いた油彩連作《受難》を完成させる。以後、キリストをテーマにした宗教画や風景画など、次第に厚塗りになっていく独特のマチエールが印象的な油彩画を残した。
《受難》1 受難
ジョルジュ・ルオー
1935年
©ADAGP, Paris & SPDA, Tokyo, 2011
出光美術館では1993年に「ムンク展」を開催したことから、ノルウェーのオスロ市立ムンク美術館のご協力により、ムンクの作品を毎年3点ずつ紹介する展示室を設けています。
現在の展示作品
展示期間 2011年8月18日〜2012年8月まで
今回は19世紀末から20世紀初頭にかけて、その後の近代美術の先駆をなすと考えられるムンクの絵画様式にみられる様々な変化(「生命のフリーズ」で取りあげられたテーマに、トゥラ・ラールセンとの恋愛の破綻事件といった個人的な題材を取り込んでいく制作姿勢や、激しい筆使いや強烈な色彩の選択といったスタイルへの嗜好)を示す作品群より3作品を展示しています。
殺人 1906年
葬儀 1904年
オースゴールストランの赤い岩 1904年
- ※上記、展示期間にご注意ください。
フリーズ・オブ・ライフ(生命のフリーズ)
ムンク芸術を代表する一連の作品群。人間の一生、特にその中でくり広げられる愛と焦燥、病気と死に遭遇した時々の人間感情を描き出した連作で、ムンクは生涯にわたってこれらのテーマに取り組んだ。結果として様々な人間感情を主題にして描いた作品群が生み出され、その独特の表現法とあいまってムンクの画家としての名声は不動のものとなっていった。しかも、ムンクは長年にわたり同じ主題を構図や技法、色彩表現などに変化を付けることによっていくつもの違った作品として完成させてもいるため、同主題のヴァリアントが数多く存在する。
エドヴァルト・ムンク
1863〜1944年。ノルウェーの画家。初期の「病める子」に現れた病と死の凝視がその芸術の基調をなす。ベルリンを中心に活動し、「叫び」に代表される「フリーズ・オブ・ライフ(生命のフリーズ)」の連作により、近代末期の退廃、不安、孤独と憂愁の諸相を鋭く描出する作品を制作した。1908年の神経症の治療後、翌年ノルウェーに戻り、オスロ大学の講堂壁画の大作を完成するなど、晩年も精力的に作画活動を展開した。
葬儀
エドヴァルト・ムンク
1904年
オスロ市立ムンク美術館蔵
©Munch Museum / Munch-Ellingsen Group / BONO, 2011


