Poly bd™(水酸基末端液状ポリブタジエン)

「Poly bd™(ポリビーディー)」は、分子末端に反応性の高い水酸基を備えたポリブタジエンタイプの液状ポリマーです。従来のポリウレタン同様、イソシアネート類と容易に反応・硬化し、良好なウレタン系エラストマー(ゴム弾性体)となります。

このエラストマーは主鎖が1,4結合主体のブタジエン構造であるため、耐水性・耐薬品性・電気特性・耐寒性に優れます。また、カーボンブラックやホワイトカーボンによる補強およびプロセスオイル、アスファルトなどによる油展が可能です。

Poly bd™化学式

Poly bd™の特長

  • 良好なゴム弾性
    1,4結合の割合が約80%あるため、優れたゴム弾性体になります。

  • 優れた耐寒性
    硬化物のぜい化温度が-70℃以下と耐寒性に優れています。

  • 卓越した耐水性
    主鎖にエーテル、エステルを含まないため、耐水性・耐薬品性に優れています。

  • 効果的な補強および油展が可能
    カーボンブラック、各種充填材での補強・増量およびプロセスオイル、アスファルトなどによる油展が可能です。

  • 優れた電気特性
    エポキシ樹脂、シリコーンゴムに劣らない電気絶縁性・誘電特性を備え、かつ温度依存性が小さい特長をもっています。さらに、透湿性・吸水性が低く、また熱応力が小さいため、冷熱サイクルテスト(-55℃~+130℃)にも耐えます。

  • 優れた加工性
    液状のため、加工が容易で、機械化、自動化、連続化が行いやすく、ゴムの持つ弾性や強度を損なうことなく容易に注型成型や現場加工が行えるため、作業の効率アップがはかれます。これらの特長を活かし、従来のエーテル系ポリウレタンやエステル系ポリウレタン、シリコーン、エポキシ等に代わる新しいゴム弾性素材として、様々な分野で使われています。

Poly bd™の加工

初期状態が液体のため加工が容易で、各種成形方法に対応可能です。

Poly bd™の加工

配合例と硬化物の物性

基本配合 油展配合 アスファルト伸展配合 短鎖ジオール配合(1) 短鎖ジオール配合(2) 無機フィラー補強 R-15HT基本配合
配合(重量部)
Poly bd™
R-45HT
100 100 100 100 100 100
Poly bd™
R-15HT
100
触媒(ジブチル錫ジラウレート) 0.05 0.05 0.05 0.05 0.05 0.05 0.05
液状変性MDI 12.3 12.3 12.3 24.6 24.6 12.3 27.8
アロマ系プロセスオイル 100
60/80ストレートアスファルト 100
短鎖ジオール(アニリン系) 8.6
短鎖ジオール(ビスフェノールA系) 16.6
沈降性炭酸カルシウム 100
硬化物物性
引張強さ(MPa) 1.7 1.2 2.0 8.6 7.9 5.3 4.9
100%モジュラス(MPa) 1.2 0.6 0.6 3.3 3.5 2.1 1.9
伸び(%) 180 300 500 315 275 640 275
引裂強さ(N/mm) 6 4 8 25 24 25 14
硬さ(ショアーA) 48 36 41 74 75 65 60
コンセプト 低硬度化
高伸長化
初期粘度低下
コストダウン
低硬度化
高伸長化
コストダウン
高強度化 高強度化 高強度化
コストダウン
初期粘度低下
  • 配合条件:[NCO]/[OH]=1.05
    硬化条件:プレス120℃×1時間+後養生70℃×15時間
    物性測定条件:JIS K 6301準拠

  • 本ページに記載のデータは、特定条件下における測定値の代表例であり、規格値、保証値ではありません。

  • 本ページの内容は、改良のため予告なく変更されることがありますので、ご了承ください。

技術資料

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