北海道製油所|環境への取り組み

当製油所は、当社の「地元の人々に愛される製油所づくり」という基本姿勢に基づき、1973年「北の大地の公園工場」を目指して操業を開始し、以来北日本の石油の安定供給に尽力してきました。

これまでも北海道の大自然との融和を目指し、環境との調和を図るとの考えのもと、大気・水質等の環境負荷低減はもとより、低ベンゼンガソリン、サルファーフリー(硫黄分10ppm以下)ガソリン、ローリー出荷設備への揮発性炭化水素回収設備設置などの環境に負担をかけない製品づくりや廃棄物削減等に取り組み、成果を上げてきました。今後もさらに改善を図るべく活動を継続してまいります。

当製油所で働く社員は、安全・環境に対する意識をさらに高めるだけではなく、一人ひとりが「地球市民でもある」という認識を持ち、次の世代にこの豊かな北海道の自然を引き継げるよう、不断の努力を積み重ねてまいります。

環境方針

環境方針
拡大図(PDF:87KB)

適用サイト:北海道苫小牧市真砂町25-1,25-4,26-1,26-2,9-1,10-1,11-6,11-12,28-1,39,40,41-1,42-2

出光興産株式会社 北海道製油所 構内(北海道製油所に所属する社員、パートナーを対象にする)構内に在駐する技術派遣社員(出光興産本社サイト)は適用外とする。

代表製品:LPG、ナフサ、ガソリン、灯油、ジェット燃料、軽油、重油、硫黄、電力、等
輸入、持ち込み、副資材等:原油、灯油、プロパン、ブタン、添加剤及び薬品(防食剤、調合剤等)脱硫・改質触媒類

省エネルギーの推進

当製油所は限られたエネルギーを効率的に利用すべく、高効率機器類の導入や運転管理値設定によるきめ細やかなエネルギー管理を実施してまいりました。中長期的に見て年平均1%以上のエネルギー消費原単位の低減に向け、今後も継続的な省エネルギーの推進を行っていきます。

廃棄物低減への取り組み

当製油所では2002年度にゼロエミッション活動を新たに設定し、 2008年度ゼロエミッション達成を目標に活動を展開しました。その結果、2年前倒しの2006年度にこれを達成しました。現在では更なるゼロエミッションの推進を図るべく、発生量に対する最終(埋立)処分量が0.1%以下となるよう2015年度より目標を立て、毎年達成しています。

※ゼロエミッション達成の定義:発生量に対する最終(埋立)処分量が1%以下。

また、当製油所では“3R{Reduce(発生抑制)、Reuse(再利用)、Recycle(再生利用)}”を切り口に、廃棄物についての改善検討を行うとともに、近隣企業11社で結成している「苫小牧ゼロエミッションネットワーク」等からも情報収集を行いながら協同して活動を進めています。

事務所内の廃棄物リサイクルステーション

事務所内の廃棄物リサイクルステーション

廃蛍光管および廃電池の回収状況

廃蛍光管および廃電池の回収状況

環境対策

大気汚染防止対策

SOxを削減する排煙脱硫装置

SOxを削減する排煙脱硫装置

当製油所ではボイラや加熱炉から、硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)、ばいじんが発生します。環境への負荷低減のため、SOxについて排煙脱硫装置、NOxについては発煙脱硝装置等を設置しています。ばいじんは電気集塵機やフィルタにより除去しています。これらの削減対策により、大気汚染防止法よりも厳しく設定された公害防止協定の排出ガス基準を遵守しています。

水質汚濁防止対策

当製油所では工業用水を製品や半製品の冷却等に使用しています。使用後の水は水素イオン濃度(pH)、化学的酸素要求量(COD)、浮遊物質(SS)、ノルマルヘキサン抽出物質含有量を測定し、公害防止協定で定められた排出水基準を遵守しています。

土壌汚染防止対策

2003年に土壌汚染対策法が施行され、有害物質使用特定施設の廃止時や健康被害のおそれがあると知事が認めた場合には、土壌汚染状況の調査を行なうことが義務付けられました。
当製油所では土壌汚染対策法に基づき、土壌汚染状況の実態把握調査、潜在リスクの調査を実施しています。

化学物質の排出抑制への取り組み

揮発性炭化水素の回収設備

揮発性炭化水素の回収設備

当製油所から排出される化学物質のうち、PRTR法(特定化学物質の環境への排出量の把握等および管理の改善の促進に関する法律)の対象物質は、原油やナフサに含まれるベンゼン、トルエン、キシレン等があります。
化学物質の排出抑制のため、揮発性のある物質の貯蔵については気密性の高い浮屋根式タンクを採用し、ローリー出荷設備には揮発性の炭化水素回収設備を設置しています。

環境データ

サステナビリティ をご参照ください。

工場緑地と生物多様性

当製油所では潮風や火山灰など苫小牧特有の厳しい環境下で操業当初から緑化活動に取り組んできました。

構内に植え込んだ木々を潮風から守るために、ネットフェンスの設置や築山の造成などを行い、ななかまど、白樺、黒松など約12,000本を育てています。
また構内南側の直線道路には樹齢40年以上の八重桜100本以上が植えられており、毎年花見の時期には社外の方にも公開しご好評をいただいております。

八重桜の並木

八重桜の並木

ネットフェンス

ネットフェンス

2010年8月に、財団法人都市緑化機構が運営する貢献度の高い優れた緑を評価認定制度である「社会・環境貢献緑地評価システム」を受審し、北海道内で初の『社会・環境貢献緑地』として認定されました。

1973年の操業以来工場緑地に取り組みながら生物多様性にも配慮し、敷地に生息する野鳥等の動植物との共存にも意識的に取り組むことを通じて環境コミュニケーションを推進しています。

北海道製油所の“緑の活動”(PDF:364 KB)

法人の森林(もり)

1996年12月より、企業等の法人が国有林の整備に参加し社会貢献・環境貢献活動を行う林野庁の「法人の森林」制度を利用して市内の水源涵養保安林を借用し「出光アッペナイ水源の森林」と名付け管理を行っております。この森林の環境への貢献度は、10年間で212.9tの二酸化炭素を吸収していると評価されています。

2008年5月には、新たに苫小牧市内の分収造林4.5haを借り受けました。
ここは2004年の台風18号で倒木被害を受けた場所で、ここに2008年6月、市内の小学生102名を招待して植林体験学習を実施し、アカエゾマツ、シラカンバ、八重桜を6,500本植樹しました。
この森林は、植林に参加した小学生から公募した「出光緑あふれる自然の森林(もり)」と名付け、今後80年間にわたり森林整備を行っていきます。

なお、林野庁評価法による「出光アッペナイ水源の森林」と「出光緑あふれる自然の森林」の2021年度の環境貢献度は、炭素固定量32.7CO2t、流域貯水便益3,957立法メートルとなります。

上記等の活動が評価され、2019年に、公益財団法人都市緑化機構様が実施しております緑の認定制度SEGESにおいて認定ラベル「Superlative Stage」(最上位ステージ)の昇格認定を受けました。なお、北海道では初めて当製油所が認定されています。