ほっと安心、もっと活力、きっと満足。出光の約束
文字サイズ
  • 標準
  • 大きい
  • お問い合わせ・ご意見

長周期波による船舶荷役障害に対するコンサルタント技術

長周期波による船舶の荷役障害

湾内が比較的静穏に見えているにもかかわらず、係留中の船が大きく動揺して荷役障害が発生することがありませんか?特に船の前後揺れが顕著な場合は、長周期波浪が原因であることが考えられます。
荷役障害があるとバース稼動率の低下のみならず、人身事故や特に油を取り扱う場合には漏洩事故につながることも想定されるため、何らかの対応が必要です。

長周期波とは

海の波とは、海面が上がったり下がったりを繰り返す運動のことです。上に上がった水面が一旦下がり、また上がるまでの時間を周期といいます。この周期が短いものから長いものまで、様々な波があります。普通に波と呼んでいるものは波浪を指す場合が多く、周期が数秒〜20秒くらいです。この波浪よりも長く、1分程度以上の周期を持った波を長周期波と呼び、港に係留された船舶のロープ切断や、荷役障害の原因になります。長周期波は、波高が10cm程度でも荷役障害を引き起こす恐れがあるため、海面を見て波がそれほどあるような感じがしない場合でも発生していることがあります。

長周期波による荷役障害のメカニズム

係留された船舶は、バネ・マスモデルに近似することができます。その固有周期Tは、2π√(M/2K)(M:質量、K:バネ値)で表されます。この係留船舶の固有周期と長周期波の周期が近いと共振が起き、大きな動揺が引き起こされます。

長周期波に対する対策

  1. 波浪制御構造物による対策
    • 防波堤や波除堤の建設等により、長周期波等の進入を抑える。また、港内で消波岸壁や人工海浜等を整備することにより、港内における波の増幅を防ぐ。
  2. 係船ロープ等の係留系による対策
    • 長周期波の特性等を分析し、船舶を係留するロープや防舷材等の材質や配置等を適切に選定し、組み合わせることにより、船舶の揺れをできる限り抑える。
  3. 長周期波の到達予測・情報提供による対策
    • 波浪観測、気象情報等に基づいて長周期波の予測を行い、関係者に情報提供を行うことにより、長周期波の到達前に余裕を持った対応を可能とする。
以上の方法の内、最も実現性があり、有効な方法が選択されることになりますが、3は他の方法に比べて、比較的簡単に適用できる方法であると言えます。

長周期波検討事例

長周期波の情報提供による対策(上記(3))を検討した事例を以下に示します。
  1. 対象バースにおける長周期波発生有無および頻度の確認
    波浪観測データを解析・整理(図1参照)
  2. 長周期波予測方法の検討
    沖合波浪データとの関係を整理・検討することで気象協会等の予報値から対象バースの長周期波高を予測できる関係式を作成(図2参照)
  3. 荷役限界長周期波高の検討
    荷役限界となる長周期波高を船舶の動揺解析により算出(図3参照)
図1 長周期波発生頻度
  • 図2 長周期波予測式
  • 図3 荷役限界長周期波高

ご意見・ご質問コーナー

このページの上部へ