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浮屋根式タンクのスロッシングシミュレーション技術

2003年9月26日4時50分頃に発生した十勝沖地震は、マグニチュード8クラスの大きな地震で、苫小牧市にある出光興産(株)北海道製油所では、最大86galの地震動を記録しました。この地震動は3〜8秒のやや長周期成分が卓越し、タンクのスロッシングの固有周期と一致したため、大きなスロッシングが生じ、浮屋根式タンクが損傷しました。
浮屋根式タンクのスロッシングシミュレーション技術
今回、浮屋根と貯蔵油の連動を考慮したスロッシングシミュレーションを実施し、浮屋根の損傷原因の解明、損傷を防止するための対策を立案し、出光興産(株)北海道製油所タンクの復旧工事に大きく貢献しました。

対象タンク

公称容量 内径(m) 高さ(m)
3万kl 42 24
4万kl 49 24
6万kl 60 24
10万kl 78 24

シミュレーションの概要

シミュレーションモデル
右表のタンクを対象に、貯蔵油・側板・浮屋根(デッキ板・ポンツーン)・ゲージポール・回転止めを3次元でモデル化し、計測された地震波を入力して、時々刻々変化する様子をシミュレートしました。
シミュレーション結果

損傷原因の解明

スロッシングシミュレーションで得られた浮屋根の変形量を入力して、ポンツーン部の構造解析を行い、以下のように原因を解明しました。
  1. 6万kl以下のタンクでは、一次モードのスロッシングにより、ポンツーンに鉛直方向のたわみが発生し、降伏座屈、開口に至った。
    一次モードのスロッシング 上図:全体 下図:ボンツーン(水平視)
  2. 10万klタンクでは、二次モードのスロッシングによりポンツーンに半径方向の収縮変形(縮み)が発生し、降伏座屈、開口に至った。
  • 二次モードのスロッシング 上図:全体 下図:ボンツーン(上方視)(太字:原形上)
  • 二次モードのスロッシング(浮屋根部分のみ)

対策案の立案

上記の結果を受け損傷を防止するために以下の対策案を立案しました。
  1. 6万kl以下のタンク:ポンツーンの補強
  2. 10万klタンク:ダブルデッキ化
なお、この対策案に対しても、シミュレーションを実施し、安全性を確認しています。

浮屋根タンクの強度評価に関する審査基準に採用

消防庁の依頼を受け危険物保安技術協会に「屋外タンク浮屋審査基準検討会」が設置されました。
その検討会で、本シミュレーションが高い評価を受け、浮屋根の強度評価に関する審査基準に本シミュレーションのデータが採用されることとなりました。

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