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平和の国体

ラジオステーションの文字のある本社
ラジオステーションの文字のある本社
(出典:「我が六十年間 第一巻」160〜161頁)

新に優渥(ゆうあく)なる詔書を拝し、宸襟(しんきん)を悩し奉る事国民の恐懼(きょうく)措く能(あた)はざる所なり。私は新年の劈頭(へきとう)『皇国の興廃此の一年に在り』との所信を高調致します。

敗戦国として吾々のなすべき事は、ポツダム宣言の実行即ち民主自由主義の実行と平和の国となる事である。此事はかねて述べた事であるが、ラジオ部の人々は新に入店せられたので、多少の重複を顧みず簡単に申し述べます。

二千六百年の我が歴史を顧みて、日本国民が天子様を忘れ得ないと言う事は即ち皇室に対する民意の表徴であって民主自由主義の極致であり理想境である。又国体が二千六百年の永き間続いて居る事は平和の国であるからである。又仏教儒教中国の芸術文化が印度及び中国に亡びて日本に保存されている事も日本の国体の力であり、日本の国体が平和の国体であるからである。 斯(か)く見来る時に吾々が国体を護持強化し国体の精華を発揮する事はポツダム宣言実行そのものである。この見透しが出来た時、国民の精神力は勃然として起り、実力は敢然として発揮されるのである。敗戦後僅か四、五ヶ月を過ぎたるにかかわらず、国体の変革に対し次第に危惧の念を去り、却(かえ)って国体護持に対し確信を得つつある有様である。

次に吾々の見逃すべからざる事は進駐の賜と言う点である。皇土を敵に踏ましむる事は吾々の最大の苦痛であるが、これも考えようである。 従来の日本の大衆は米国人に対しては一種の卑屈感をもって居るが、数十万の米兵を手近に見て自負心を取り返している。 これと反対に米人は日本人に親しく接して必ずやその真の姿を知り、平和的国民たる事を認識したであろう。 斯くして、日本のありのままの姿が米国人の前に出た時に彼等は驚くであろう。是は進駐によりて日本を世界の本舞台に進出せしめたのである。

斯くして日本は敗戦によりて世界の大道に出でつつあるが、この間に大難関がある。即ち食糧飢饉、失業問題、悪性インフレ、従って起る思想の悪化、道徳の廃頽(はいたい)である。 此の荊棘(けいきょく)の道、泥濘(でいねい)の路を突破した時に開国以来真の日本の姿は世界に出るのである。 而(しか)してこの難関は本年その頂点に達するのである。
興廃はこの一年に決するのである。而して私は昨年の経過を顧みて国民は必ずこの難関を突破する事を信ずる。
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