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マルクスと出光の人間観の相違(1)

(出典:1966年刊『マルクスが日本に生まれていたら』40〜42頁)

質問
共産主義国のソ連でも、高級役人、小説家と労働者の、給与や生活程度は非常に違うそうですね。どうしてそんな違いが出てくるのでしょうかね。

出光
区別が出来るのは当然だろう。マルクスがああいう研究をしたのも、資本家のエゴイズムや搾取に反感を持ったからだろうと思うんだ。
マルクスがそれとたたかって今日の姿までもってきたことは、非常な功績だと思うんだ。功績とは思うけれども、最後の到達点がはっきりせず、人間否定のようなことになれば、はたして人間が満足するかどうか、ということだ。

それでソ連が五十年もやってみて、やはり人情というもの、人間は人間なんだということがわかって、或る程度まで所有権とか利潤とかを認めるというふうに、変わってきたんじゃないかと思う。
マルクスのように、人間を完全なものとみるという、そういう無理なことをやると、また革命が起こるよ。
人間社会は人間が矛盾をもったものである以上、やはり或る程度混乱はあるものと思っておかなければいけない。
楽土みたいなものが人間の間に出来ると思うのが間違いだ。

今の財界だって同じことが言える。つねに好景気が続くものなり、と考えていたから、今度の不況のようなときにとり乱して右往左往するんだ。
ぼくは景気のいいときに、景気の悪いときのことを考えて準備しておけと言っている。
ぼくがいつも言う「順境にいて悲観せよ」という言葉がそうだ。出光は好況のときにけっしてぜいたくはさせない。
順境のときには経費をつつしむとか、封筒は裏返しにして使う、というような小さいことをぼくは注意している。
そうすれば会社が儲かっておるときに、利益はみな社内に留保される。それをさあ儲かった、ボーナスはやる、なにはやれ、さあ遊びに行こう、なんていうことで使ってしまえば、今のような財界の混乱が起こるのはあたりまえだよ。
ところが出光なんか、今みたいにみんなが意気消沈している不況時代に、将来のために積極的にいろんなことを計画している。
これは「逆境にいて楽観せよ」ということだが、この逆境のときに立てた計画は堅実で間違いない。だから逆境のときに計画を立てるんだ。
しかし将来必ず変動が来ることがわかっていても、儲かったときにワーッとやりたいというのが人間だ。そこに人間の矛盾性がある。
出光で人間尊重と言っているのも、こうした人間の矛盾性をつつしむ、ということであって、日ごろからそういう心掛けでいるから今のような不況下でも出光は微動だにしないんだ。
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